華やかなイメージで語られることの多い海外駐在妻
地味に暮らしてきたので海外駐在妻というのが自分にはしっくりこない
スペイン 1997年~2003年 電話が頼りで人との関わりが濃かった30代
初めての海外生活は32才~38才の頃
子ども3人を連れての渡航
当時はまだFAXがある家庭すら少なく、連絡といえば電話がほとんどだった時代
地元の幼稚園、日本人学校、子どもの絵画、ピアノの習い事、私のスペイン語の3人の先生、料理教室2カ所、陶芸教室など、とにかく人との関わりが濃く、賑やかな日々
同じ会社の奥様は5人で、年に2回、食事をするくらいの程よいおつきあいだった
周りの方々にも恵まれ、揉め事とは無縁の楽しい時代だった
ドイツ 2020年~2022年 コロナ禍、インターネットと一人の時間
17年ぶり海外生活は55才~57才のドイツ・デュッセルドルフ
ヨーロッパ最大の日本街があると聞いていてどんな感じなんだろう?と思っていたけれど、コロナ禍の街は静かで、おつきあいは何も無かった
そして同じ会社の人は1家族だけ
私たちが赴任した時には、もう2か月後に帰任が決まっていて、後任は単身赴任だったので、オンラインで挨拶をしただけでおつきあいというのが何も無かった
けれど不思議と、つまらない、淋しい、孤独なんてことは全然感じず、インターネットのおかげで一人の時間は不自由なく、むしろ気楽なものだった

その分、同じアパート、近所のスーパー、郵便局、薬局の人達に
勝手に一期一会を感じていた
アメリカ 2022年~2026年 シニア駐在ならではの静かな一期一会
57才になって初めてのアメリカへ
同じ会社の奥様は私も入れて3人
年長者の私は「ナニカ集まりをしなくてはいけないのかな? 」とスペイン時代を思い出したり
でも「シニアで来たので現役駐在とは違うし、、、」と言い訳を考えていた
ヨーロッパと違って、アメリカは日本人会がない

オハイオの当地に日本人会が無いだけか?不明
日本人コミュニティはあるようだけれど、大きい日本人会が無い
車社会のアメリカで車を持たなかった私は快適に引きこもった
時々ある会社の集まりには夫と共に顔を出したけれど、自分からは何もしなかった
何より20年前と時代は大きく変わって、今は駐在帯同者でも仕事をする時代

駐在員の配偶者でも仕事が出来るというVISAらしい
若い人が今の時代らしく、自分達のキャリアや生活をスマートに築いているのを見ながら、私はお邪魔にならないよう、気をつかわせないように静かにしていた
そんな何もしていないシニア駐在帯同者なのに、もうすぐ帰国なので若い夫婦が声をかけてくれて一緒に食事をした
楽しい時間を過ごした後、「また会いましょう」が出てこなかった
私たちが若ければ、現役の真っ只中なら言えたけれど、おそらく二度と会うことはない
まるで今生の別れのような、静かな一期一会だった
30代/50代の海外生活を振り返ってみて
20年前のスペインでは電話が頼りの蜜な繋がりだった
けれど、今はインターネットがあれば孤独を感じる事もなく、情報は指先ひとつで手に入る
若い世代のスマートな生活を見ながら、私は静かな引きこもりを存分に楽しんだ
華やかなイメージの”海外駐在妻”とは全然違う、気楽な海外駐在帯同者だった

