人 生 後 半 を 楽 し み た い

’23 夏 アメリカで見つかった小さな癌の記録 ⑱ /小さな手術 ①

(2023年 夏)

目次

満月の翌週

はじめに言われていた一番早い手術日は、カレンダーを見たら満月だった。

満月は怪我しやすいとか出血しやすいらしい。

ちょっと不安だけれど、それでもいいかと思った。

けれど、翌週も空いている日があったので満月ではない日に予約出来た。

アメリカは医療費が高いからか
乳房全摘手術で1日入院
そうで無ければ、日帰りらしい

そして、「2㎜もない小さいモノをキレイさっぱり撲滅してくる」と手術前に娘にメールをした。

当日

病院には朝6時前に到着、手術開始は7時半。 

家を出る時はまだ薄暗い。

夏の朝6時 ⇩ 冬じゃなくてよかった。

駐車場に着いた時、歩いていた人に日本語で挨拶されたのでビックリしたけれど、通訳さんだった。

10時半までいる予定になっているという通訳さんに、長時間なので申し訳なくなる。

今日はブレストセンターではなく、Minimally Invasive Surgery Center 低侵襲手術センターへ。

小さくても人生初めての手術だ。

緊張していないつもりだけれど、昨夜は眠れなかったかも。

受付で2つの事にサインをし、その後背の高いナースに呼ばれ、控えの部屋へついて行く。

英語が出来ないので、とにかく今日も笑顔でいるしかない。

手術着に着替えるんだけれど、、、

全裸になって上だけの手術着 (下の下着も脱いだ)、ヘアキャップをして、靴下を履いた(靴は脱いだ)

手術途中、粗相したらどうしようと気になり
特大生理用品を準備していたけれど、どうなる?

次から次へとたくさんナースが来て、いろいろ質問、同じ質問、バイタルチェック、点滴、痛み止めを飲んだりしていた。

開封したての大き目の消毒ガーゼ2枚をナースから差し出され、左脇から乳房を自分で拭くように言われたのでやってみた。

前日や当日に家でのシャワー時に消毒用石鹸を使用し、
清潔なタオルや下着、シーツというのは必要ないようだ

薄いけれどあったかいブランケットと ⇩ この血栓予防の「ふくらはぎマッサージ」は気持ち良かった。

水分や薬用の点滴の針を刺す時に優しいナースが、私の手や腕をマッサージしながら「Tiny」とつぶやいていた。

「Tiny」とか「petit」と言っていた。

それをイチイチ訳してくれる通訳さん。

他に次から次からナースが来て質問されたことで、気になった3つは

  • 配偶者とは円満か? 自らを傷つける気になるか? って聞かれビックリした。
  • 何かあったら、輸血していいか?と聞かれたけど、突然聞かれても、、、OKと言ったけど
  • 遺言書はあるか? (これはアメリカでは普通の事で、多くの人が若いうちから書いているらしい)

子ども達には2年前に簡単な遺言済み

ここで夫が控室に登場。

病院内にa-ha の♪Take on Me や Whitney Houston のHow Will I Know ♪が流れていて、やたらと明るいぞ。 

1985年懐メロ特集でもやっているのか???

ドクター登場

元気で明るい執刀医の女性ドクターが、今日も元気に登場してきた。

初めて会った時も、バタバタしながら登場で一瞬ナースかと思ったけれどドクターだった。

今日もバタバタ、しかも牛乳瓶の底のようなメガネで、ちょっとコントのようだ。

思い出すと笑えてくる。

ドクターがいろいろ説明してくれる。

それは紙でも渡すと言っていて、最後にサインを私の乳房に直にしていた。

ドクターに笑顔で「nice to see you again」と言ったら、何か言いながら何を言っているのかわからないけれど、手を握ってくれた。

次に麻酔科医とナースが来て、いろいろ説明があり「今日一日は大事な書類にサインしてはいけない」と言っていた。

質問があるか?と聞かれた時に、夫が私の体重を確認していた。

全身麻酔だから、やっぱり怖い。

分量間違えたら大変。

しかもキロkgじゃなくて、ポンドlbsだからね。

そして最後に「夫婦でハグを」と言われたけど、、、軽く背中をたたく程度の日本人老夫婦。

夫はその後、待合室でこんな紙を渡されて

⇩こんな画面を見ていたらしい

手術室へ

ベッドは背もたれが起きたままの状態で運ばれていく。

通訳さんも手術着になって一緒に。

初めて手術室へ入った。

広い手術室に既に7人くらいナースが待機していた。

1人ずつ紹介されるけれど、「Hi」「Good morning」くらいしか言えないので、とにかく笑顔。

ベッドから隣の手術台に自分で移って、上の照明を見た時に初めて「うー怖い」と思った。

でもそう思わないように、とにかく笑顔。

麻酔科医が鼻にチューブを入れ、「だんだん麻酔が効いてきます」と言っている。

それでも笑顔で「まだ起きてます」なんて言って

左側には元気なドクターがいたのを覚えているけれど、そこまで。

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