人 生 後 半 を 楽 し み た い

結婚相手は抽選で/垣谷美雨

少子化問題で書かれた本だと思ったけれど、2010年に発行された本。

それからもう13年も経って、日本の少子化はますます加速して未婚非婚も増えている。

タイトルを見た時に抽選? えーっ?ってタイプじゃない人だと嫌だけど、いろんな人と出会えるから面白いかも。

少子高齢化対策で、抽選見合い結婚法という法案が成立。

25才から35才の男女で前科や離婚歴無し、子どものいない独身者が対象。

抽選方法は本人の年齢±5才の範囲内で無作為。

相手が気にいらない場合は2回まで断る事が出来るけれど、3回になるとテロ対策活動後方支援隊(テロ撲滅隊)に入って2年間厳しい訓練をしなければならない。

医師や看護師の医療関係者はテロ撲滅隊ではなく、離島で医療活動でもいいって。

昔はお見合い結婚が多かったし、少子化対策には強制的に出会いを作るというのはいい法律かもね。

モテないオタク青年、母から離れたくて上京する看護師、ラジオ局でモテないオタク青年、母から離れたくて上京する看護師、ラジオ局で働く美人らしい30才、実家がお金持ちのイケメンが主人公で、この理不尽な法律に、翻弄されていく様子は面白かった。

最後みんながハッピーエンドにならないところもまぁ良かった。

そうそう皆が上手くいくわけが無いし、諦める人もいる。

この抽選見合いが上手くいかないラジオ局の30才にアドバイスするお祖母ちゃんの言葉が良かった。

「夫婦は人間同士の助け合いで貧乏な夫婦だったおじいちゃんおばあちゃんは幸運だった。

結婚後も親の援助があるようだと夫婦はダメになる」って、、、なるほど。

そして母親として、考えさせられる。

娘と仲がいいのはいいけれど、負担になってはいけない、母のいいなりにしてはいけないと思った。

親娘でもちょうどよい距離が大事。

「うちの子が結婚しないので」でも感想書いたけれど、若いうちに出会えて結婚出来るってすごい事で奇跡と思えてくる。

垣谷美雨さんの小説は現代社会の少子高齢化、老後、お金などの身近な問題が読みやすくて、感想を書いたのはこれで6冊め。

もっと読みたい本はあるけれど、日本からわざわざ取り寄せるより、いよいよ電子書籍にしようかな。

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